「DX推進パスポート」をご存じでしょうか?
「ITパスポート試験(Iパス)」、「データサイエンティスト検定(DS検定)」、「G検定」のいずれかに合格した上でデジタルリテラシー協議会に申請すると、無料でもらえるデジタルバッジのことですが、「DX推進パスポート」を取得するとDX推進人材としての価値を客観的に示すことが出来るなどいろいろなメリットがあります。
ITパスポート試験にはデジタルバッジがありませんので、デジタルバッジが欲しい方には必見の内容となります。
また、DS検定、G検定合格者には、それぞれの資格運営団体からデジタルバッジ(オープンバッジ)がもらえますが、デジタルリテラシー協議会に申請することで、さらにもうひとつゲットできることになります。
著者もDX推進パスポートのデジタルバッジを申請し受領しました。
本記事では、DX推進パスポート取得のメリット、取得方法、また今話題のDi-Liteについて解説します。
【この記事を読んでわかる事】
- DX推進パスポートとは?
- デジタルリテラシー協議会とは?
- Di-Liteとは?
- DX推進パスポートを取得するメリット
- DX推進パスポートの申請方法
■DX推進パスポートとは?
DX推進パスポートとは、現代のデジタル社会におけるデジタルリテラシーを持っていることを客観的に証明できるデジタルバッジのことです。
デジタルリテラシー協議会が発行しています。費用はかかりせん(無料)。
以下の3つの試験の合格数に応じて「DX推進パスポート1~3」の3つのランクがあります。
- ITパスポート試験
- データサイエンティスト検定(リテラシーレベル★)
- G検定
3つの試験のうち、
- いずれか1種類の合格者には「DX推進パスポート1」
- いずれか2種類に合格すると「DX推進パスポート2」
- 3つ全てに合格すると「DX推進パスポート3」
のデジタルバッジが発行されます。
著者は、G検定だけを取得しているので「DX推進パスポート1」を取得できました。
【3試験の合格数に応じた7種類のデジタルバッジ】
(出展:デジタルリテラシー協議会公式サイト)
ITパスポート試験は2021年4月以降が対象
注意点として、ITパスポート試験は「2021年4月以降の試験を受験し合格された方」が対象になります。
それ以前の試験合格者は残念ながら対象とはなりません。
上位資格は対象外
また、ITパスポートではなく基本情報技術者等の上位の資格を持っていたとしても、対象外となります。
あくまでも、2021年4月以降の「ITパスポート試験」のみが対象となります。
同様に、G検定の上位資格である「E資格」も対象とはなりません。
あくまでもG検定を取得している必要があります。
著者は、2009年に応用情報技術者を取得していますが、残念ながら対象とはなりません。
■デジタルリテラシー協議会とは
デジタルリテラシー協議会とは、2021年4月に設立された「日本のデジタル人材育成を加速させる」ための官民連携の会議体です。
官としては、経済産業省がオブザーバーとして参画しています。
デジタルリテラシー協議会は、ビジネスパーソンのデジタルリテラシー「Di-Lite(ディーライト)」の整備を目指し設立されました。
より良い社会(Society5.0)の創出に向け、「デジタルを作る人材」だけでなく「デジタルを使う人材」の育成に向け、社会全体のリテラシーレベルを向上させることを目的としています。
■Di-Liteとは
「全員に、全体を。」
Di-Liteのキャッチコピーにあるように、Di-Liteとは「全てのビジネスパーソン」が持つべき「デジタル時代の共通リテラシーの範囲」のことです。
Di-Liteは以下の3つの領域として定義されています。
- ITソフトウェア領域
- 数理・データサイエンス領域
- AI・ディープラーニング領域
そしてそれぞれの学習すべき範囲として、
- ITパスポート試験
- G検定
- データサイエンティスト検定
の3つの試験のシラバス範囲が推奨されています。
(出展:デジタルリテラシー協議会公式サイト)
つまり、上記3つの資格を全て取得した暁には、デジタル全範囲にわたり基礎的なデジタルリテラシーを手に入れたということが出来ます。
一般的なビジネスパーソンとしてはユーティリティに無敵ですね。
ひとつの資格の取得だけに満足せずに学習を継続していければ、さらにデジタルリテラシーを高めることに繋がりますね。
■DX推進パスポートを取得するメリット
「DX推進パスポート」は、取得するといろいろなメリットがあります。
以下、3つに整理しました。
【メリット1】基礎的なデジタルリテラシーをマスターしたことを証明
Di-Liteで定義されている3つの資格を全て取得したならば、デジタル全範囲にわたり基礎的なデジタルリテラシーを手に入れたということが証明されます。
前述のとおり、一般的なビジネスパーソンとしては非常にユーティリティで、デジタルのどの領域でも戦っていけるだけの教養を身に付けたと言ってよいでしょう。
また、1つまたは2つの資格を取得されている場合には、デジタル領域においてご自身のストロングポイントとウィークポイントを把握することができます。
さらにDX推進パスポートの上位レベルの取得を目指すことで、自身のスキルや知識を向上させることが可能です。
【メリット2】創造力・課題解決・ビジネスへの活用
ビジネスパーソにおいては作業の自動化・効率化を検討する上で、広範囲にデジタルリテラシーを保持していれば、検討を一歩スムーズに進めることができます。
新しい切り口での自動化・効率化、ビジネスのアイデアを創出することが可能になります。
デジタルリテラシーを持っていないことで生まれる漠然とした不安を払拭することにもなり、これにより社内のDX化をニュートラルに進めることにも繋がってきます。
また、営業職の方にも有用です。デジタルに関する技術用語を理解できるようになるのでエンジニアやITベンダーとの協業を円滑に進行することが可能になるでしょう。
【メリット3】自身の市場価値を高める
デジタル人材不足と言われている昨今、人材市場でもDX推進人材としての価値をアピールしやすくなります。
デジタルリテラシーを保持していることを社内外へ証明することができます。
さらに、社内でDX関連のプロジェクトにアサインされるなど、新たな経験や昇進につながる可能性もあります。
もちろん名刺に認定マークを入れることも可能です。
視覚的に証明できるため商談やビジネスでも有利に働くでしょう。
■DX推進パスポートの申請方法
デジタルリテラシー協議会の公式サイトから申請が可能です。
費用はかかりせん(無料)。
DX推進パスポート申請の手順は以下のとおりです。
- STEP1デジタルリテラシー協議会の公式サイトから申請します
- STEP2DX推進パスポート発行依頼の記入完了のメールを受信します
発行まで3~4週間程度かかります。
著者は、10/1に申請し10/17にバッジを受領しました。 - STEP3デジタルリテラシー協議会からオープンバッジ授与のお知らせメールを受信します
- STEP4受領の手続き(アカウント作成)をします
アカウントを作成してからバッジの受領完了までに最大24時間かかります。
著者は、11:00時にアカウントを作成し、翌日の6:00に受領を完了しました。 - STEP5バッジ受領完了のメールが届き、バッジの受領が完了となります
STEP1. デジタルリテラシー協議会の公式サイトから申請します
STEP2. DX推進パスポート発行依頼の記入完了のメールを受信します
本メール受信後、DX推進パスポート発行までに3~4週間程度かかります。
STEP3. デジタルリテラシー協議会からオープンバッジ授与のお知らせメールを受信します
DX推進パスポート発行依頼後、3~4週間でオープンバッジ授与のお知らせメールが届きますので、受領手続きを始めます。
STEP4. 受領の手続き(アカウント作成)をします
アカウントを作成してからバッジの受領完了までに最大24時間かかります。
STEP5. バッジ受領完了のメールが届き、バッジの受領が完了となります
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
DX推進パスポートは無料でもらえる割になかなかメリットがあります。
最後に「DX推進パスポート」に関してポイントをまとめておきます。
- 「DX推進パスポート」とは、現代のデジタル社会におけるデジタルリテラシーを持っていることを客観的に証明できるデジタルバッジのことです。
デジタルリテラシー協議会が発行しています。 - 「デジタルリテラシー協議会」とは、「日本のデジタル人材育成を加速させる」ための官民連携の会議体です。「Di-Lite(ディーライト)」の整備を目指し設立されました。
- 「Di-Liteと」は、「全てのビジネスパーソン」が持つべき「デジタル時代の共通リテラシーの範囲」のことで、以下の3つの領域として定義されています。
・ITソフトウェア領域
・数理・データサイエンス領域
・AI・ディープラーニング領域 - DX推進パスポートを取得するメリットは3つあります。
【メリット1】基礎的なデジタルリテラシーをマスターしたことを証明
【メリット2】創造力・課題解決・ビジネスへの活用
【メリット3】自身の市場価値を高める - 「DX推進パスポート」の申請は、デジタルリテラシー協議会の公式サイトから無料でできます。3~4週間程度かかります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
少しでも皆さまのデジタルリテラシーの向上とDX推進活動にお役に立てたなら幸いです。