ディクテーションは最強の英語学習法のひとつです。
著者は、TOEICの点数が伸び悩んだ際にディクテーションを重点的に取り組みました。1年間継続した結果、スコアが110点UPしました。
もちろん、ディクテーションだけをやっていたわけではありませんが、特にディクテーションに力を入れたのがその時期です。
ディクテーション(dictation)とは、”書き取り”の意味で、英語の音声を聞き取って一文字一句逃さずに書き取る勉強法のことです。
TOEICのListeningではイギリス英語、アメリカ英語、カナダ英語、オーストラリア英語、ニュージーランド英語が使われますが、英語学習初心者は違いが分からないはずです。特にオーストラリア英語は独特で、オーストラリア英語であることを知らないとアメリカ英語と発音が違いすぎてすぎていてパニックになりかねません。
ディクテーションを行うことによって、なんと、これらの英語を聞き分けることが出来るようになります。
この記事では、ディクテーションの効果、具体的なディクテーションのやり方、おすすめの教材をご紹介します。是非、実践してみて英語耳を手に入れてください。
【この記事を読んでわかること】
- ディクテーションの効果
- ディクテーションのやり方
- おすすめの教材
■ディクテーションの効果
全般的に英語耳を作る(Listeningスキル)
ディクテーションを行うと集中して英語を聞くことになります。
聞き取れなかった箇所を何度も聞くことになります。これにより、以前は聞き取れなかった音が徐々に聞き取れるようになります。
英作文・語彙力の向上(Writingスキル)
ディクテーションは、聞き取れなかったワードを文法の知識等から予想して英文を補足する作業を伴います。また文脈から相手の言っていることを推測することにもなります。
さらにスペルにも気を付ける必要があり、自然と覚えていきます。
これらにより英作文をする際に必要な力が養われます。
短文の読み込み(Readingスキル)
ディクテーションは、自身で書き取った短文を自然と何度も読み返すことになります。これにより、Readingスキルも向上します。
TOEIC用の教材を使えば自然とTOEIC対策となり、英検用の教材を使えば英検対策に繋がります。
発音・アクセントの向上(Speakingスキル)
聞き取り難く理解できないワードは繰り返し聞くことになり、結果として頭の中でもしくは口に出して何度も発音していることでしょう。後述しますが、それに加えてディクテーションの最後にシャドーイングを行うことでSpeakingスキルも向上します。
■ディクテーションのやり方
ディクテーションは5つのSTEPで構成されています。
- STEP1音声を流し英文を聞きます。
- STEP2音声を止めて、聞こえた英文を書き取ります。
- STEP3再度音声を流し、聞きもらし(書きもらし)、誤りがないかチェックします。聞き取れなかった箇所は聞き取れるまで繰り返し聞きます。
- STEP4解答を見て答え合わせをします。
- STEP5最後にシャドーイングをします。(おまけ)
STEP1:音声を流し英文を聞きます
音声を1回だけ流し、切りの良いところ(1文等)で止めます。1回で全て聞き取れるように集中して臨むことが重要です。結果的に全てを聞き取れなくても問題ないです。
STEP2:音声を止めて、聞こえた英文を書き取ります
音声を止めて、聞こえた英文を書き取ります。
書き取る際、以下のポイントに注意します。
- 単語しか聞き取れなかったとしても、聞き取れた単語を書き取ります。
穴あきでも全然OKです。
例 : I ??? basketball with ??? next Sunday. - 聞き取れなかったとしても、文法上withが入る、三単現のsがつく等予想も含めて書きます。
- 過去形、単数形、複数形も注意して書きます。
- スペルも可能な限り正しく書く努力をします。
- もうこれ以上、誤りがない(あるいは書けない)、というところまで思い出して(予想して)書きます。
STEP3:再度音声を流し、聞きもらし(書きもらし)、誤りがないかチェックします。聞き取れなかった箇所は聞き取れるまで繰り返し聞きます。
再度音声を流し、書き取った英文と比べ聞きもらし(書きもらし)がないかチェックします。
チェックの際、以下のポイントに注意します。
- 聞き取れない部分は何度も繰り返し聞きます。この時点で空白がないようにします。
スペルが分からない、今まで聞いたことがなかった単語も予想してスペルまで書きます。間違っていても構いません。予想して書くことが大事なポイントです。
どうしてもわからない単語についてはカタカナで書いてもOKです。 - もうこれ以上、誤りがない(あるいは聞き取れない、書き取れない)、というところまで繰り返し聞いて予想も含めて書きます。
STEP4:解答を見て答え合わせをします
回答を見て答え合わせをします。
正解と見比べて赤ペンで誤りを正します。
あ~、過去形だった! ”s”つけ忘れてた! など気づきが多いはずです。
目からうろこが出ていることかと思います。
または、そんな前置詞言ってないじゃん! や、複数形なの??など、いろいろ文句をつけたくなることもあるでしょう。
本当に省略している可能性もあるし、ほとんど聞こえない”s”もあるでしょう。
STEP5:最後にシャドーイング(おまけ)
これはおまけですが、最後にシャドーイングを行います。
英文を見ながらでも構いませんが、見ないで行うとさらに効果的です。これにより、speakingスキルも向上します。
ディクテーションは、最初は1文から行うのが良いでしょう。
“Good luck!” 等、短い文章もそこで止めてディクテーションしてからOKです。慣れてきたり、問題集を2周回目に入ったりした場合には、短い文章であれば2,3文まとめてディクテーションしてみましょう。また難易度が上がります。
■おすすめ教材
実は、何か特別にディクテーション用の教材や問題集を購入する必要は特にありません。
TOEIC公式問題集を使えばそのままTOEIC対策に繋がります。part1~part4の問題および選択肢の音声を使ってディクテーションを行いましょう。
TOEIC公式問題集にはアメリカ英語、イギリス英語など、どこの国の方が話しているのかも記載されているので、違いがわかってくるはずです。
また、単語帳もディクテーションの教材になります。例文が音声で流れるものを選んでください。ストーリー形式になっているものもおすすめです。
なお、1秒戻しなど好きなところから巻き戻して音声を聞ける媒体が適しています。長文を最初から流すことしかできないと、聞きたいところまで待つことになってしまいます。
また、ディクテーションが出来るアプリを活用するものおすすめです。
ディクテーション・シャドーイング・発話練習もアプリ一つで本格的なトレーニングが充実しているものもあります。
スタディサプリEnglish ビジネス英語
■学習時間の目安
可能な限り毎日行うことが英語耳を作るのに重要です。
期間が空くとなまります。
TOEICの問題を1問(問題文と選択肢)だけでもよいので可能な限り毎日行いましょう。1問であれば、10分程度です。
著者はほぼ毎日10分程度を1年間継続した結果、TOEICスコアが110点UPしました。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
ディクテーションは最強の英語学習法のひとつです。あまり時間をかけることなく4技能(Listening, Writing, Reading, Speaking)全てが向上します。
以下、ポイントをまとめておきます。
- ディクテーションのメリット
・全般的に英語耳を作る(Listeningスキル)
・英作文・語彙力の向上(Writingスキル)
・短文の読み込み(Readingスキル)
・発音・アクセントの向上(Speakingスキル) - ディクテーションのやり方
STEP1:音声を流し英文を聞きます
STEP2:音声を止めて、聞こえた英文を書き取ります
STEP3:再度音声を流し、書き取った英文と比べ聞きもらしがないかチェックします
STEP4:解答を見て答え合わせをします
STEP5:最後にシャドーイング(おまけ) - おすすめ教材
(おすすめ教材)
最後まで読んでいただきありがとうございます。
言ってしまえば英語は単なる言葉です。難しく考える必要は全くありません。実際、nativeであれば3歳児でもしゃべれるわけですから難しいわけがないはずです。
英語学習に終わりはありませんが、努力を継続することで確実に成長していくのも事実です。本記事が少しでも皆さまのお役に立てたなら幸いです。