PMP資格を更新するためには3年間で60時間以上の職務能力開発活動を行う(PDU獲得)必要があります。
これがなかなか手間がかかり資格の更新をあきらめたりサスペンドしたりする方も多いのではないでしょうか。
「Giving Back活動」は、費用を抑えて手軽にPDUを稼ぐのに非常に有効です。
特に、「Giving Back活動」のひとつである「コンテンツを作成する」は、コンテンツを無料で作成することもでき、さらに1回の申請で最大25PDUを獲得することができるため非常に効率が良いです。
本記事では、「コンテンツを作成する」についてコンテンツの題材の選び方、実際に申請する際の申請方法と注意点、英文の記入例を著者が申請した際の実例を交えてご紹介します。
【この記事を読んでわかる事】
- 「コンテンツを作成する(Create Content)」 における注意点
- コンテンツの題材の選び方
- 「コンテンツ作成」の申請方法
- 「コンテンツ作成」の英文記入例
なお、PDU獲得方法としては「読書」も非常に有効です。読書でPDUを稼ぐための方法については、以下の記事をご参考下さい。
■PMP更新の概要
PMP資格を更新するためには3年間で60時間以上の職務能力開発活動を行う(PDU獲得)必要があります。
職務能力開発活動にはいくつかの種類があり、「コンテンツ作成」もその内のひとつです。
PMP更新の詳細や「コンテンツ作成」以外の活動についても知りたい方は、以下の記事をご参考下さい。
■コンテンツ作成(Create Content) とは
コンテンツ作成とはPDU獲得方法のひとつであり、「ギブバック活動分野」に分類される活動です。
職場で共に仕事をされている方や、広く一般の方が利用できる新しい知識リソース(コンテンツ)を創る活動になります。
知識リソース(コンテンツ)を作成し知識や知見を他者と共有すれば、他者の継続的な学習に貢献することができます。
新しいコンテンツを作成する方法は、
- 書籍を出版する
- ブログを投稿する
- 記事を執筆する
- ウェビナー(オンラインセミナー)を実施する
- プレゼンテーション資料を制作する
などがあります。
■コンテンツの作成方法
コンテンツを掲載する媒体を何にするか?
それでは新しいコンテンツを作成する方法(媒体)は、何を選ぶのがよいのでしょう?
著者の経験から、おすすめ度を★三段階評価で表しました。
- 書籍を出版する(★☆☆)
- ブログを投稿する(★★★)
- 記事を執筆する(★☆☆)
- ウェビナー(オンラインセミナー)を実施する(★★☆)
- プレゼンテーション資料を制作する(★★★)
①書籍を出版する ★☆☆
これは一般の方にとってはハードルが高く、概ね検討対象外になってくるでしょう。
その中では比較的ハードルが低いのは、Kindleへのセルフ出版でしょう。誰でも無料でAmazonで電子書籍を出版することができますので、ネタがある方は一考に値します。
②ブログを投稿する ★★★
プロジェクトマネジメントに関する事柄をブログで投稿します。ブロガーの方はブログで発信するのは比較的容易かと思います。
ブログ未経験の方もブログは無料で簡単に始められるので、PDU獲得にお困りの方にはおすすめです。完全無料でもできるので本を購入するよりも費用を抑えられます。
③記事を執筆する ★☆☆
ブログ記事は「②ブログ」に相当するので、ブログを除いたネット媒体や雑誌等の記事になります。
となると一般の方にとってはハードルが非常に高いでしょう。
④ウェビナー(オンラインセミナー)を実施する ★★☆
会社勤めの方はPMPやプロジェクトマネジメントに関する事柄をセミナー形式で発信する場合等に使えます。
ギブバック活動のひとつである「実務者として仕事をする」としても計上可能かと思いますが、「実務者として仕事をする」は上限が「8PDU」と制限されているので、「ウェビナーを実施する」で計上するのがおすすめです。
ちなみにyoutubeによるセミナーの配信もウェビナーに該当します。
⑤プレゼンテーション資料を制作する ★★★
プレゼンを行うための「資料作成」が該当します。
プレゼンの実施は、「プレゼンテーションの実施」というギブバック活動に計上します。
つまりプレゼン実施の有無はここでは問われておらず、資料作成だけということになります。
結果的にプレゼンを実施しなかった場合でも計上できます。
プロジェクトマネジメントに関する資料まとめと考えれば比較的取り組みやすいと言えます。
■コンテンツのテーマを選定する
コンテンツのテーマは「プロジェクトマネジメントに関する事柄」になります。
プロジェクトマネジメントに関する事柄であれば何でも良いので、以下のPMBOKの基本事項などを切り口にして想像力を膨らませます。
【切り口(例1)】PMBOKの知識エリア
- 統合マネジメント
- スコープマネジメント
- スケジュールマネジメント
- コストマネジメント
- 品質マネジメント
- 資源マネジメント
- コミュニケーションマネジメント
- リスクマネジメント
- 調達マネジメント
- ステークホルダーマネジメント
【切り口(例2)】QCD管理を成功させるための5つのプロセス
- 立ち上げプロセス
- 計画プロセス
- 実行プロセス
- 監視・コントロールプロセス
- 終結プロセス
例えば、「コミュニケーション」をテーマにして、コミュニケーションについてネット等を使って調べ、資料(パワポ、テキストファイル、ワード等)としてまとめ、プレゼン資料を作成してみるのもよいでしょう。
ちなみに著者はIT関連企業に勤めていますが、社内にPMP資格取得方法について資料をまとめ共有した経験があります。これについてコンテンツ作成として申請し無事にアクセプトされています。
申請内容については以下の記事をご参考下さい。
■PDU申請時の注意点
「コンテンツ作成」活動のPDU申請について解説していきます。
注意点は以下、4つあります。
(1)PDU規則
コンテンツ作成に費やした1時間は1PDUに相当します。
なお、申請の最小単位は0.25PDU(15分)です。
(2)申請するPDUの上限
コンテンツ作成はギビングバック活動分野に属しており、ギビングバック活動は更新の1サイクル(3年間)で「25PDU」が上限になっています。
そのため1回で申請できる上限も25PDUがMAXとなります。
著者は25時間以上費やしていたので最大の25PDUで申請し、監査なくアクセプトされました。
(3)PDU申請時の英文の文字数
PDU申請時に書籍の内容(「Description」)を記入することになります。
どのくらいの文字数を書けばよいかですが、CCRハンドブックでは特に規定はされていませんので何文字でもよいことになりますが、記入フォーム上、5000文字以内となっているので注意しましょう。
なお、参考までに著者は概ね500~1200文字前後(100~200単語前後)で記入申請していますが、問題なく申請はとおっています。監査にも選定されたことはありません。
(4)PMI監査について
PMIはPMP試験の申請者の一部に対して申請内容の監査を行っています。どのような基準で監査対象に選定されるのかは公表されていませんが、監査に選ばれた場合には、適切なエビデンス(補足書類)の提出が求められます。
- 数パーセントがランダムに監査対象に選ばれます。
- 監査に選ばれた場合、申請したPDUを確認するためのサポート資料を提出するように求められます。
- 監査で必要とされる書類
・出版物のコピー
・教材のサンプルまたはコースアジェンダ - CCRサイクルが終了しても、18ヶ月間は、申請した全てのPDUの資料を保管しておくことが重要です。
著者は運よく監査には選ばれたことはありません。
PDU申請方法・申請内容・申請フォーム
PDUの申請内容、申請フォームは以下のとおりです。
PDU申請方法
「コンテンツ作成」のPDUの申請手順は次のとおりです。
- STEP1PMIの公式サイトにログインします
- STEP2メニューの「Report PDUs」をクリックします
- STEP3Educationにある「Create Content」を選択します
- STEP4作成したコンテンツの内容を入力します
- STEP5PDU申請完了
完了の画面が表示され、その直後に申請の受付メールが届きます。
- STEP6PDU申請承認
PDU申請が承認された旨メールが届き、完了となります。
STEP1. PMIの公式サイトにログインします
STEP2. メニューの「Report PDUs」をクリックします
STEP3. Educationにある「Create Content」を選択します
STEP4. 作成したコンテンツの内容を入力します
STEP5. PDU申請完了
PDU申請完了の画面が表示されます。
画面表示の直後に申請が完了した旨、メールが届きます。
審査は5営業日以内に行われ、結果は別途メールで通知されます。
最速だとPDU申請直後に承認されます。
著者は、ほとんどの申請がPDU申請直後に承認されています。
STEP6. PDU申請承認
PDU申請が承認された旨、メールが届き、完了となります。
■英文記入例
作成したコンテンツの概要をDiscription欄に英語で記入する必要があります。
Discriptionは日本語で考え、英文はGoogle翻訳を使えば簡単にできます。
著者が実際にPDU申請した際の英文記入例をご参考として掲載します。
●Organization
For the public
●Title
Built the site and share the articles I wrote
I built the site to transmit the profitable information related to PMP examination and PMP certification renewal.
So far, I wrote and shared six articles as follows.
In the following articles, I shared the information that help people interested in PMP to prepare the PMP examination.
In addition, I introduced the books and the courses that I recommended to earn PDUs to renew the PMP certification.
Articles
1.[PMP Certification] How do we earn the 35 hours regarding to the project management? | Examples of English sentences.
2.[PMP Certification] Explanations of the qualification to try the PMP examination | English sentences of the project management experience.
3.[PMP Certification] How much time do we study to pass the PMP examination? The pass rate and difficulty of the PMP examination | the exam successful experience story.
4.[PMP renewal] notice when you report PDUs | the way of PDU report, English sentence, too.
5.[PMP renewal] the way of PMP renewal. the expense of PMP renewal |How do we earn PDUs? Introduction of recommendation plan.
6.[PMP renewal] earn 60 PDUs with reading books | recommendation books and English sentence.
●URL(optional)
“https://somayuri-spacelabo.com/”
※以降の項目は省略
●PDUs
Giving Back 25.00
ちなみに著者は英作文の勉強を兼ねてgoogle翻訳は使っていません。これ機に英語を勉強し直したい方はこちらの記事もご参照ください。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
最後に、「コンテンツ作成」でPDUを獲得する際のポイントをまとめておきます。
- 申請するPDUの上限は、ギブバック活動の最大値25PDUまで申請が可能!
- PDU申請時の英文の文字数は500~1200文字程度が目安です。
- コンテンツはテーマを決めて、テーマについてネット等を使って調べ、資料(パワポ、テキストファイル、ワード等)としてまとめるだけでOKです。
- これを機に英語の学び直しも
最後まで読んでいただきありがとうございます。
PMPは著者が取得してきた資格の中で仕事上最も役に立つ資格のひとつです。少しでも皆さまのお役に立てたなら幸いです。